省エネ性能が高いスマートハウスを導入すべきか

建てる前に知っておくべきこと  |

みなさんは「省エネハウス」と「スマートハウス」の違いを知っていますか?

省エネハウスとは、エネルギー消費の少ない家を指します。たとえば、床や壁に断熱効果の高い建材を用いて、室内の空気を効率よく温めたり冷やしたりできるようにする、機密性能の高い窓を設置し外気の流出入を抑えるなどの工夫を凝らした住宅が省エネ住宅といわれます。

近ごろは省エネハウスよりもさらに省エネ性能を高めた「スマートハウス」が人気を集めています。皆さんもモノとモノをインターネットでつなぐIoT技術はご存じでしょう。外出先からでもエアコンのオンオフができたり、自動で玄関ドアの鍵を閉められたりと、ただ便利なだけではなく体に何らかの障害があっても利用できる、バリアフリー住宅としても注目されています。スマートハウスとは、省エネハウスとは違い、ITを用いて省エネを実現する住宅を指します。

スマートハウスはIoT家電の便利さばかりをクローズアップされがちですが、実際のところ、メリットはIoT家電による便利な生活ばかりではありません。住宅全体の電力消費量を確認する、オール電化住宅にすることで使用エネルギーを電力へ一本化し使用料を把握しやすくすることができます。これにより電力のムダに気づきやすくなり、省エネ意識が向上します。

さらにスマートハウスを語る上では「HEMS(ヘムス)」というシステムが重要です。このシステムはスマートハウスの省エネ性能の柱ともいえる存在です。電気を使用する機器に取り付けると、毎日どのくらいの時間に電力消費がピークとなるのかなどの情報を集めます。そして電力消費のピークタイムになると太陽光発電などで作られた電力を使うよう切り替えるなど、省エネと節約を同時にこなす優れものです。エネルギーの消費だけではなく二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量も削減できるといわれています。さらに、政府もHEMSを重要視しており、2030年までにすべての住宅にHEMSを普及させることを目標に掲げています。

スマートハウスにするためにはどんな設備が必要?

便利で省エネ性能に優れるスマートハウスにするためには、新築時に必要な設備を導入することが推奨されています。後付けで工事をするよりもスマートに対応できるためです。

必要なものはさまざまありますが、電力を作り出せる太陽光発電パネルは必須と言って過言ではないでしょう。太陽光パネルは名称通り、太陽光が当たっている間は発電してしまうため、設置時に事故が起こらないよう細心の注意が払われています。事故防止のために設置業者は作業手順書を用いて、作業員全員が段取りを理解できるようにしています。作業手順書はひな形も販売されており、スムーズな作業に一役買っています。

ほかにも、オール電化住宅にするのならば電気給湯器の設置も必要でしょう。エコキュートやエコジョーズという商品名でおなじみですね。これらは電気代が低い夜間のうちにお湯を沸かし、必要な時に水でぬるくして使用できるようにするものです。

スマートハウスにすることで光熱費の節約と地球環境への配慮が同時に行えます。現在は新築時に導入することがスムーズと言われていますが、立て直しやリフォームの際にも対応している業者はあります。もう家が建っているからとあきらめずに情報収集をすることで、便利なスマートハウス生活ができるかもしれません。

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